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そんな普通の日々が過ぎていく間に僕はあることを聞いた。
災厄をもたらす“虚無と静寂の魔法使い”の由来は、敵側の言い分らしい。
つまり全ての悪意も策謀も跳ね返して無に帰す魔法使いであり、静寂という名の平穏を呼びこむ者という意味もあるのだそうだ。
聖なるものと悪しきものの見方は、視点でくるりと万華鏡のように変化する。
悪役だと思っていたものが本当に悪役だったのか……そうとは思えない過去の魔法使いたちを、自身と同じだからという理由で昔調べたことがあったので、それは僕の中に吸い込まれるように入ってくる。
けれどそんなものを抜きにして、オルヴァとエリアスは僕が何よりも大切な存在だとささやいてくれる。
だからもう、きっとこれはこの上なく幸せな結末なのだろうとも思える。
「はっぴーえんど、おしまい」
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