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「プレリュード」
見上げても濃紺の空を浴びて
わたしは両の腕を広げる
あの日のわたしの姿をうつした瞳で
見上げれば
わたしの吐く息を
不思議そうに見つめる眼差し
瞬いた一瞬に空で弾けるためだ
新しく開いていくわたしの日々は
眠るのを忘れていく
ゆっくりと傾く時間にも
押しつぶされることのない光に
一瞬ふらつきながらも
惑うことはない
ずっと未来にわたしは生まれた
日ごとにつくられていくわたし
だから此処にいるのかもしれないと
そう、せめてもう一度
見上げれば
見上げれば
あたたかい温度の中
わたしの鼓動をききながら
その時がくるのをずっと
待ちこがれて
きっと生ききったときにわかる
だから例え瞳を閉じていても見上げれば
たとえ世界がわたしを塞いだとしても
惑うことはない
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