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僕は2017年8月、異様な体験をした。
便が(汚いね)調子悪いのでネットで調べると不安な情報だらけだった。
中でも気に成ったのが大腸ガンだ。
僕はこれまで一度も潜血検査でNGだったことはない。
けれども潜血検査で分るのはおよそ6割のガンだけで、4割は分からないらしい。
ぐぬう。
苦慮の末に選んだのは、風呂で指を肛門に突っ込むという策だった。
直腸ならこれで分る。
それはもう必死で突っ込んだ。
指先に、しこりが触れた。嘘だまさかこんな。
けれども冷静に形状を調べた。ダメだこれは。医者に行こう。
結局、大きなポリープを切除することになった。
「指先に当たったんですよね」僕は主張した。
「ここ、S字結腸だから届くはずがないでしょう」医者が何をバカなことを、という顔で言った。
いや指に当たらなければそもそもここに来てないんだし。
どうやったのかは知らないけれど僕は20cm近い距離を無視して、そのポリープに触れたのだ。
・人がやらないことをする
その時の僕の行動原理みたいなものだ。
「これ……ガンじゃないかな」医者が言った。内視モニターに映っていたのは巨大なポリープだった。
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