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私たちは後部座席に座る。
「ふー君いつもごめんね。」
「いいって。親父に頼まれているからな。それより、今日の穂乃ちゃんはすごく美人だな。」
私は真っ赤になる。二人になる(高山さんはいるけどね。)とふー君穂乃ちゃんで呼ぶ。
私はこの従兄弟にずっと片想い中だ。
小さいときからずっと一緒にいるから、とても好きだとは言えない。
ふー君は物凄く男前でイケメンだ。伯父さんのイケメンと伯母さんの美人を受け継いでいる。
けど、今まで彼女がいたと聞いたことがない。いつもはぐらかされてしまうのだ。
「なあ、穂乃ちゃん、特職ってなんなんだ?」
「私が知ってるわけないじゃん。」
月島グループには特別職と呼ばれる職種があるらしい。入社試験の時に決まるようだ。
「特職は、その年の未来の幹部候補筆頭職ですよ。今年は3名いらっしゃるようです。」
「ふぅん、じゃあ僕たち二人以外にいるんだね。」
「でもやだな。身内だからって絶対に思われているよね。」
「それは大丈夫でしょう。お二人はN大学を主席で卒業されているのですから。」高山さんが教えてくれる。
私たちは日本のトップに君臨する東帝国大学入学間違いなしと言われてきた。けど、お父さんとお母さんは若いときは仕事であまり家にいなかったせいか、お父さんは引退後地元サッカー教室と塾をお母さんは塾の講師とピアノ教室を開いた。
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