第2章

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「Sack me?しゃぶってくれと書きたければSuck meが正解です」 黒板消しを持って間違いを正すと 何事もなかったようにスーツの埃を払い教壇に立つ。 「初めまして、僕は須賀拓哉です。担当は英語で今日から君たちの担任になります」 ざわつく教室内を眺め回し僕は笑顔で言った。 「色々な噂が立っているようなので、最初に真実を話しておいた方がいいよね」 自ずと大騒ぎしていた輩は鎮まり 気付けば耳を澄ますほどの静寂が訪れた。 「ありがとう。チャンスをくれて」 僕は根が図太く それに――。 「先生にはもうすぐ結婚する彼女がいます。だから君たちが思っているような面白い展開は望めないかな」 いざとなればあざとい嘘つきだ。
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