第2章

11/27
前へ
/27ページ
次へ
「ひとつ問題があったとすれば、ある生徒に特別な感情を抱かせてしまったことかな。もちろん意図的ではないけれど、僕は責任を取って前に勤めていた学校を辞めてきました。君たちが又聞きした噂は、それに付随することなんじゃないかと思います」 大きな顔していればいい。 本当の事なんて誰も知らないのだから。 『抱いてよ――テヨン――無茶苦茶にして』 本当の僕の事なんて 誰も知らないのだから――。 「他に質問は?」 ざわついていた教室内が 一瞬水を打ったように静かになった。 「ないなら出席をとりまーす」 何もなかった顔をしていれば きっと自分自身も忘れる。 堂々とついた嘘も 傷ついたことも――。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

54人が本棚に入れています
本棚に追加