第2章

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いや、見ただろ。 わざとだ――。 あいつが僕に 爪の先を見せつけたのはわざと。 もしかしたら 『先生にはもうすぐ結婚する彼女がいます』 『ある生徒に特別な感情をいだかせてしまったこと――僕はその責任を取って勤めていた学校を辞めました』 僕の真っ赤な嘘に対する 報復のつもりかもしれない。 (なんだよ……) 僕の事 知ってる人間は誰もいないだって? とんでもない。 だけど彼がもし あの日のテヨンと同一人物だとしたら――。 僕らは話合う必要がありそうだ。 それも早急に――。
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