第2章

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昼休み――。 「先生」 思ったよりずっと早く 待ち人はあちらから僕の前に姿を現した。 「君はっ……」 職員室に戻る階段の踊り場で待ち伏せていたのか。 いまだあの日のテヨンとは判別できない男が 「裏階段から屋上に来て――待ってるから」 すれ違いざま僕の耳元に囁く。 「……」 僕が答える前に 「早く行こうぜ~腹減ったよ!」 昼飯を買いに向かう一団が階段を埋め尽くし 彼はひっそりと姿を消していた。 (裏階段から屋上に――) 考えている余裕はなかった。 僕は慣れない校内を駆け出した。
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