第2章

2/27
前へ
/27ページ
次へ
「それが……ひどく酔っていたので……ええ。とにかく財布が戻ってくればいいんです。落し物で届いてませんか?現金はいいんで、免許とかカードとか……そういうのがちょっと」 「お待ちください」 しばらく間があって 再び電話口に出た女性警官がきびきびと言った。 「確認したところ、警察の方にそれらしい届け出はないですね」 「そうですか……」 「見つかればこちらからお知らせしますが」 後ろめたいところがあるせいか 何だか怒られているような気がする。 「分かりました……よろしくお願いします……」 言い終わらないうちに ガチャンと忙しなく電話を切られた。 「はぁ……」
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

54人が本棚に入れています
本棚に追加