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あの日。
あの後、路地裏で――。
『あーあ、飲み過ぎですよ。残念』
事が始まる間際。
僕は予想よりだいぶ早く酔い潰れたんだった。
『待って……』
『足が立たないんじゃできないでしょう?』
すがるように抱きついたテヨンの目は
爛々として冷たく
『また今度、ってやつですね?』
まさにやっつけ仕事を終えた人間のそれだった。
『ンン……』
『お代は頂いて行きますから』
そして
朦朧とした意識の中。
テヨンが僕の内ポケットから
財布を取り出すのを見たのが最後。
『風邪ひかないで下さい』
きっと最後の憐れみ――。
テヨンは僕の前をしまい
適当にワイシャツの裾を入れると
路上に置き去りにして去って行った。
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