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じっとりとした視線が
探るように僕に絡みつく。
「あんたいい人そうだし、それに――こんなとこに置いておくのはもったいないいい男だ」
まさか――。
「っ……!」
事情を知らないなんて嘘だ。
「何にしろ気の毒な事ですよ」
谷はそう言って
湿った手で僕の尻をそっと撫でた。
「な、何するんですか……!」
「ああ、悪いね。手が滑って」
僕が飛び上がる様子を楽しむように
「ほら、チャイム鳴るよ」
悪びれず笑って谷は先にトイレを出て行く。
「最悪だ……」
出鼻を挫かれるとはこの事だ。
でもこんなのは序の口。
ただの始まりに過ぎなかった。
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