第2章

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教室へ向かう道すがら 当然のことながら生徒たちの視線に晒される。 「あれ、見ろよ」 「な、やっぱ言ったとおりだろ?」 「ホント、女みたいだな」 芸能人でもないのに 常に不特定多数の視線を浴びる。 教師は一種特殊な職業だと思う。 だが教師になって1年――。 もうその状況には慣れたし たいがいの悪口や根も葉もない噂話は 聞き流すことができるようになってくるものだ。 でもそれは 「だから、淫行」 「淫行って何だよ?」 「生徒誘って、クビになったんだってよ」 「それも相手、男だぜ?」 現実の域を越えない時に限る。
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