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梶本の寝室は、殺風景で、カーテンのない大きな窓と、部屋の中央にキングサイズのベッドがあるだけだ。
寝室に入ると、着ていたスエットを脱ぎ始めた。
「おい!何してんの?」
焦って声が裏返った。
「何って、寝る準備だけど?
俺さ、寝る時服着ないんだ。あ、パンツは履いてるよ!
まぁ、いいじゃない。
利和も、早くおいでよ。」
先にベッドに入ると、ふわりと軽そうな上掛けを持ち上げて、俺を誘った。
ゴクリと喉か鳴る。俺の緊張に気付かれないように、離れた場所に滑り込んだ。
「もっとこっち。」
そう言って、俺を引き寄せ、背後から抱き締めるように、捕らえられた。
飛び上がりそうな緊張感を、悟られまいと、冷めた口調で言う。
「おい、近すぎだろ。少し離れろよ。」
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