再会

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地面を蹴る音が近づいて来て、寝たフリで遣り過ごそうと、目を閉じた。 足音は俺の横で一旦止まり、すぐにまた、去って行った。 「見てんじゃねぇし。」 心の中で毒づいて、まだ痛みの残る身体を起こした。 帰るか…っても、駅はどこだよ。 スマホを出して、嘆息がもれた。倒されて割れたらしい画面は、鈍く光るだけで、何も映さない。 人の気配を感じて振り向くと、ロードワークの途中なのか、フードを深く被り、肩で息しながら、背の高い男が近づいて来た。 「良かった!動けるんですね。 息してるのは確認したけど、心配で。 あ、これどうぞ。使って下さい。」 コンビニの袋の中には、タオル、湿布、絆創膏とミネラルウォーターが入っていた。 フードの下の顔を、まじまじと見た。 「それじゃ、お大事に。」 走り去ろうとした人を、咄嗟に呼び止めた。 「待って!梶本!」
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