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なんとかしようと、機転を利かせ、司会が締め括った。
「そんなら、俺からも、お願いしとこうか!
トシカズくーん!帰ったげて!
これで良し!
じゃあ、次~!」
収録を終え、楽屋に戻ると、開口一番、八巻に怒鳴られた。
「リオン!お前…何考えてんだ!
どうすんだ。放送は止められても、現場にいた奴等の口は塞げないんだぞ!」
「それでいいよ。大切な何かを失ってまで、続けたい仕事じゃない。
俺が何も知らないと思ってるの?
全部、八巻が仕組んだんだよね?俺から利和を遠ざける為に。」
八巻は、仕事熱心で、頼れるけれど、多少卑怯な事をしてでも、タレントを守ろうとする。
その噂は有名で、事実、探ってみれば、簡単にホコリが出た。
利和と俺の写真を撮らせ、利和を俺から引き離した。
面倒見る振りをして、利和と蜜に連絡を取り、行動を把握している。
「バカだね、八巻。
無理矢理離したりしなければ、気持ちに気付くのは、もっと先か、それとも、気付かないままだったかも知れないのに。」
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