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「この件は、社長に相談するから。」
苦々しい顔で、俺を見ると、楽屋の隅で電話をかけ始めた。
社長、八巻、プロデューサー、俺、会議室は重い空気に包まれていた。
「このまま流せたら、こちらとしては、面白いんですけどね。
案としては、名前のところ、伏せるとかしてね。」
「こちらとしては、探られても困るんですよ。」
八巻が頑なに突っぱねていた。
社長は黙って、双方の話に耳を傾けている。
「リオンはどうなの?」
「俺は、このまま、流して欲しいです。
話題性は充分にあると思います。
その後の事は、周囲の出方次第で。
俺は、干される覚悟で話しました。」
「ふうん。」
大して、興味なさ気に相槌を打って、八巻に声をかけた。
「どんな子か知ってるんでしょ?話して。」
八巻は気乗りしない顔で、利和について話始めた。
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