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しばらくの間、そこから動くことも出来ずに、ぼんやりとテレビを見続けた。
画面の中で笑うのは、梶本じゃない、リオンだ。
そう自分に言い聞かせて、繰り返し耳に残る言葉を打ち消そうと、耳を塞いだ。
しつこくスマホが、着信を知らせる。
発信は、やはり同じ番号からだ。
なんとなくわかっていた。だからこそ、出るわけにはいかないと、思った。
「ごめん、梶本…。出られるわけないだろ…。」
涙が出るのは、嬉しいからなのか、悲しいからなのか、俺自身にもわからなかった。
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