幸福

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溶けそうなキスを繰り返して、視線が合う度に、「好き」と伝えあった。 「今夜は、泊めてもらってもいい?」 「えっ…。あ…。あぁ、うん。いいけど。」 「何もしないよ。抱きしめて眠るだけ。」 焦る俺を見て、優しく微笑む。 期待しないわけではないが、いきなりは、心の準備が追い付かない。 そもそも、俺は経験があるけれど、梶本はどうなんだ? たぶん、男とは、ない。 「梶本?お前さぁ、テレビであんな事言っちゃって、大丈夫なのか?」 何よりも、梶本のこれからが、心配だった。 こっそり、二人で、バレないように付き合うのとは、違う。 全国区で、俺の名前を呼んで、好きだと告げたのだから。
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