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「それなら大丈夫。
俺をここに送ってくれたのは、八巻だよ。
それに、利和に会いたがってるのは、社長だし。」
自信無さ気に頷いた俺を抱き寄せると、急に甘えた声を出す。
「ねぇ、それよりもさ、もう眠りたい。」
梶本の部屋のような、柔らかく、大きなベッドではない。スチールパイプの、狭いシングルベッドだ。
190㎝超え、細身でもがっちりした、広い背中を持つ梶本と、175㎝、痩せても太ってもいない、俺。
ベッドで眠るのは、無理だと思う。
テーブルを退かして、床に布団を敷いても、きっと足りない。
「泊めてやりたいけど、寝る場所、無いな。
どうする?」
「くっついて眠れば、寒くないよ。」
狭いシングルの布団に、ぴったりと寄り添って、潜り込んだ。
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