社長の企み

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夜明け前に、梶本は出ていったようだ。 仕事があるから、帰るよ。 スマホに連絡先登録しておいたから。 カギは、ポストに入れておく。 今夜電話する。今度はちゃんと出てね。 残されたメモの、丁寧な文字だけで、ギュッと胸が締め付けられるようだ。 夢じゃないんだ。 出社する支度をしながら、なんとなくテレビを点けると、夕べの放送の事が話題になっていた。 街頭インタビューでは、誰もが驚いていた。 告白自体を嘆く人、相手が男である事に嫌悪を示す人、リオンが幸せならそれでいいと、祝福する人。 多様な意見は尤もだ。 ただ、意外な事に、擁護する意見が多くあがっていた。
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