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目を開くと、目の前に整った顔があった。
いつの間に帰ってきたのか、床に転がり、静かに寝息を立てている。
いい大人が二人で、床に寝そべっているなんて、滑稽でしかない。
「おい、梶本、梶本?」
肩を揺さぶって、声をかけた。
「ぅう~ん…」
なんとなく返事はするが、一向に起きる気配がない。
俺に掛けてくれていた、ブランケットをそっと梶本に掛けた。
うっすらと目を開けて、俺を見ると、楽しそうに笑い出した。
「起きたんだね。ねぇ、今何時?」
身体を伸ばしながら、壁に掛けられた時計を見ると、16時を過ぎたところだった。
「何で床で寝てたの?ベッド使えば良かったのに。
でもさ、フフッ、利和ってば猫みたいに丸くなってて、なんか可愛かったよ。」
「梶本だって、丸くなってただろ。」
「うん、久々に眠れた。
俺さ、眠れないんだよね、いつも。」
スッキリした顔で、起き上がり、「こっち来て」と俺を呼んだ。
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