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「……まさかそこまでアホな行動は取らないだろう。幾らリュシーでも」
(試しに挑発してみるか。リュシーの淫乱ビッチ、ビッチ、ビーッチビチ。何だか生きのいい魚みたいな響だな。確かに生きがいいので、つつくと楽しいが)
僕は我慢した。
必死で我慢した。が、
「それで、何時までその中に隠れているんだリュシー」
(ちょっと考えれば分かるよな……)
「……ナカニハ、ダレモイマセン」
「……」
「……」
小さな沈黙の後、僕はその場から逃走した。
四つん這いで。
四足歩行、つまり二足の二倍なので二倍の速さに違いない!
そう思いながら、シャカシャカとそこから逃げ出した僕だけれどすぐに木箱を掴まれたらしく、動けずにじたばたする。
「まったく、こんなもので欺けると思っている当たりが、リュシーらしいよな」
(アホだな)
「こんなものって、ぼ、僕だって考えがあって」
「考え? 俺から逃げておいてどうするつもりだったんだ?」
(まさか他の男のもとにでも行って、浮気しようと? おかしいな、毎日浮気なんかできなくなるくらい、体は満足させてやっていたはずだが)
「だから、やり過ぎなんだってば!」
「……俺、随分我慢しているんだぞ?」
(え?)
「え? じゃない! もう……もっとやらないで欲しい」
「……」
(嫌に決まっているだろう。そもそも勝ったのは俺だから、犯す)
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