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「服部さん、土井さん、ここですか?開けてください」
呼び出した船山が、時間通りにやってきた。何も知らせていなかった土井が慌てふためく。
「え? 船山? なんで?」
「ん、俺が呼んだ。役に立つんだよ、こいつ」
内鍵を開けると、滑り込むように船山が入室した。
「二人でコソコソしちゃってぇ。さ、これが要るんでしょう?」
なんで僕が持ち歩いているのを知ってるんですか、とニヤニヤ笑い、ポケットからアレを二つ、取り出した。
。 。 。 。 。 。 。
「うわあ、冗談みたいなサイズですね! ホントに食べてる人、初めて見た!!」
記念写真を撮りたくなる気持ちは良く解る。ペヤ〇グソース焼きそばW(ダブル)、その名の通り、2玉分の大きな四角い顔は、なかなかの威圧感だ。栄養表示で1000キロカロリーを超えると知ると、ひとりで挑戦するには敷居が高い。仲間でシェア、が正解だろう。
ましてや、今は食事ではなくあくまでオヤツ。船山の上着ポケットのマヨネーズの個包装を思い出し、マヨ目当てにメールで誘ったのだ。
「大好物って程じゃないけど、たまに恋しくなるんだよね、ペヤ〇グ」
角に残ったキャベツまで綺麗に食べつくし、会議室の空気清浄機を最強にセット。証拠を隠滅し、何食わぬ顔(喰ったけど)で、部屋を出る。
ドアのスライドサインを【空室】に戻すのは、残り香が消えてからとしよう。
<Twitterタグ #物書きのみんな自分の文体でカップ焼きそばの作り方書こうよ より。説明通りに作ってみよう編 おしまい>
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