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機会を伺っていたがあっというまに半年も経過してしまい、さすがに二人の女性に対しての罪悪感で押しつぶされそうになってしまった。 アイカは泣きそうな顔で 「私はこのままでもいいよ」 と言ったが、アイカのことを思うと苦しかった。 由香里とは、時には身体も重ねていたがさすがにアイカには言えず、つい誘われてしまう自分の弱さにも情けなくなっていた。 アイカの誕生日を前に、とうとう浩史は別れる決断をした。 理由を問われた時の為に、浩史は一応いろいろと言い訳を考えていた。 由香里自身を責めたり、転勤などと言うと後々面倒くさくなりそうだったので、『親の勧めで見合いをさせられて……』ということに決めていた。 でももう、そんな嘘をつく必要がなくなった。 浩史は、シチューのニンジンをフォークで押しつぶしながら申し訳なさそうに詫びた。 「俺もずっと一緒にいたかったんだけど。ごめんな」 こんな嘘もこれで最後だと思うと、演技にも熱がこもりうまく言えた。 「いいの。浩史には、かけがえのないものをもらったし」 由香里はにっこりと笑った。 「――ああ。オレも、由香里との時間は何にも変えられない大事な時間だったよ」 うまく話が終われそうだと、浩史はようやく笑顔を見せた。 意外と簡単で拍子抜けしたが、こじれなくて良かった。 嘘をつくのが苦手だから、やりとりが続けばアイカのことをうっかり話してしまいそうな自分が怖かったが、これできっぱりと決着がついた。
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