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ある意味。間違ってはないけどさ、てか、女は悩みって言うと、「恋」って言うよな。それ以外にも、悩みの種はあるってのにさ。
「ねぇ、ねぇ。そうでしょ。あたしがバッチリ解決しちゃうよ。」
「違うよ。」
「またまたぁ。」
「あんたの思考回路には恋愛しかないのかよ。」
「また、あんたとか言う~。そんな事ないけど、人の恋の話って面白いじゃん。」
…俺で遊ぶ気かよ。
「そんなの、面白がるくらいなら、教室帰って、授業受けてろ。」
「それなら、瀬菜だって、教室帰りなよ。」
「嫌だよ。面倒臭い。」
受けたって、現実じゃないから、ココは。
しかも、微妙に隣のクラスって設定だから、どっちにしたって、葉月を監視することは出来ないし。
「なら、あたしだって教室には戻らないよ。」
「…テストで赤点とっても、知らないよ。」
「う…。」
「小日向の数学で赤点はマズイんじゃない?」
「うぅっ…。」
よかった。さっきチラッと、葉月の教室の前通っておいて。
「…わかった。あたしは教室に戻る。その代わり、今日、一緒に帰ろっ!」
「…いぃよ、それくらい。」
ある程度、近い距離間じゃなきゃ、何か起きたときに対処できないしな。
「じゃあ、学校終わったら、瀬菜のクラスまで迎えに行くから、待っててよ。」
「…あたしが迎えに行くよ。」
あぁ、どうしても、「あたし」が、しっくりこなくて、変な間が空く。
「あたしが行くのっ!校内一美人の瀬菜と友達になったって、さりげなく、自慢するのっ」
「……あ、そう。」
立場上、男の俺が、例え、今は女でも、迎えに行きたかったけど、葉月の呆れるくらいの、力説に、負けて、思わず頷いてしまった。
「じゃあ、また放課後ね~。」
満面の笑みで、俺に手を振って、すんなり教室に帰って行った。
ゲンキンな奴。
俺は、再び、ウォークマンのスイッチを入れる。
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