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「瀬菜が、ちゃんと教室に居ないから、悪いんだよ~~」
これくらいのイジワル許されるよね(笑)
「ねぇねぇ、誰の夢見てたの?」
「…うるさぃ。」
「人のコト抱きしめといて、その態度?」
「そんなの、覚えてないし」
「ぅわ~、シラをきる気~。」
「仕方ないでしょ。ホントに覚えてないし。」
「あ、開き直った。」
「それに、どんな夢見たかなんて、いちいち覚えてないよ」
「え~、瀬菜の好きなヒト聞きたかったのに~。」
「……。」
そりゃあさ、確かに夢なんて、いちいち覚えてないって分かるんだけど~あんな風に抱き寄せられたらさ~、何か気になるじゃん。
こんな美人が、好きになる人ってどんな人なんだろう。
やっぱカッコイイのかなぁ。
美男美女カップルかぁ。
絵になりそぉ~~vV
靴を履き変えている瀬菜の横顔を見ながら、勝手な想像をしてると、いきなり、瀬菜の動きがある一点を見つめて止まった。何だか、驚いている。
「どうかした?」
問い掛けて、その目線を追うと、一人の男の人が目に入った。
その人はちょうど校長室から出て来たみたいで、挨拶をしていて、手には何かの書類をもっているみたい。
歳はおそらく24、5歳ってとこで、何となく、あたし達とは違うオーラみたいなモノがあって…。
「あの人がどうかしたの?」
もう一度瀬菜に話し掛けると、ハッとした顔をして、
「何でもない。帰ろ。」
って、そそくさとその場を立ち去ってしまった。
だから、あたしも慌てて後を追った。
もしかして、瀬菜の好きな人って…あの人??
「ねぇ、もしかして…。」
聞いてみようと思ったけど、その顔があまりに真剣で、何か考えているように見えたから、何となく聞けなくなって、あたしは黙って瀬菜の隣を歩いた。
ってか、瀬菜、歩くの速いよ…。
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