~hazuki Side~

3/3
前へ
/37ページ
次へ
「瀬菜が、ちゃんと教室に居ないから、悪いんだよ~~」 これくらいのイジワル許されるよね(笑) 「ねぇねぇ、誰の夢見てたの?」 「…うるさぃ。」 「人のコト抱きしめといて、その態度?」 「そんなの、覚えてないし」 「ぅわ~、シラをきる気~。」 「仕方ないでしょ。ホントに覚えてないし。」 「あ、開き直った。」 「それに、どんな夢見たかなんて、いちいち覚えてないよ」 「え~、瀬菜の好きなヒト聞きたかったのに~。」 「……。」 そりゃあさ、確かに夢なんて、いちいち覚えてないって分かるんだけど~あんな風に抱き寄せられたらさ~、何か気になるじゃん。 こんな美人が、好きになる人ってどんな人なんだろう。 やっぱカッコイイのかなぁ。 美男美女カップルかぁ。 絵になりそぉ~~vV 靴を履き変えている瀬菜の横顔を見ながら、勝手な想像をしてると、いきなり、瀬菜の動きがある一点を見つめて止まった。何だか、驚いている。 「どうかした?」 問い掛けて、その目線を追うと、一人の男の人が目に入った。 その人はちょうど校長室から出て来たみたいで、挨拶をしていて、手には何かの書類をもっているみたい。 歳はおそらく24、5歳ってとこで、何となく、あたし達とは違うオーラみたいなモノがあって…。 「あの人がどうかしたの?」 もう一度瀬菜に話し掛けると、ハッとした顔をして、 「何でもない。帰ろ。」 って、そそくさとその場を立ち去ってしまった。 だから、あたしも慌てて後を追った。 もしかして、瀬菜の好きな人って…あの人?? 「ねぇ、もしかして…。」 聞いてみようと思ったけど、その顔があまりに真剣で、何か考えているように見えたから、何となく聞けなくなって、あたしは黙って瀬菜の隣を歩いた。 ってか、瀬菜、歩くの速いよ…。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加