snow drop.2

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「っ///…何すか…。」 自分でも、顔が赤くなるのが、分かる。 「あはは~、瀬菜、真っ赤~~。」 案の定、思い切り笑われてる。 「…。」 「ホント、可愛いね~。」 「…男が可愛いって言われても、嬉しくないです。」 「何回、呼んでも返事しないからだよ~。思春期くん。」 それとこれと何の関係が…。とは思ったが、実際、未夢さんの声に気付かなかった、俺が悪い。 「…すみません。」 「いぃよ~。あたし、明日早いし、そろそろ帰ろうと思って。雅希も、もう起きてるかもしれないし。」 確かに、気付かないうちに、結構時間が過ぎていたみたいで、うっすら辺りが暗くなって来ていた。 「はい。気をつけて。」 「瀬菜も風邪引かないようにね。もう夏じゃないんだから。 じゃあまたね。」 笑顔で振られた手を振り返すと、未夢さんは、屋上から出ていった。 その後ろ姿を見送った後、ふと、 「あと何回あの笑顔を見られるんだろう。」 そんな事を思った。 雅希さんの容態は、正直、あまり良くないらしい。 俺のあの一言以来、彼女は彼の「生」を信じている。 もし、彼が居なくなれば、彼女から、笑顔は消えてしまうだろう。 あの笑顔は、雅希さんが与えているものだ。 彼の話をする時の笑顔がそれを物語っていた。 どうか、 未夢さんから、笑顔を奪わないでほしい。 それが、例え、俺に向けられなくても構わないから…。 夏に比べると、少し冷えてくるこの時間帯。 もう、すっかり、秋らしく、肌寒い風を感じると、何だか、胸の辺りが苦しくなった。
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