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~sena Side~
「…マジかよ…。」
俺は、鏡を見て酷く落胆した。
こんな話は聞いていない。
そりゃあ、確かに女顔だし、体格もがっちりしている訳でもない。
だからって、これってあんまりだろ?
よりに寄って、「女」で、この世界に登録されるとは…。
親父にしてやられた。
きっと今頃、こんな俺を見て、面白がっているんだろ?
あ~頭くる。
そもそも、容姿が変えられるなら、もっと背を高くして、男らしくしてくれればいぃのに。
今の俺は、茶髪のクルクルロングで、手足も折れそうなくらい細い。
どっから、どう見ても「女」にしか見えない…よな…。
何か、若い頃の母さん見てるみたいだ。
…それが目的か?
「はぁ~。」
溜め息しかでない。
おかげで俺のひそかな計画は、成功することはなくなってしまった。
彼女を救い出して、彼女に対して、秘めていた想いを打ち明けるつもりだったのに…。
帰ったら、覚えてろよ。親父。
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