プロローグ

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初めからそうだった。 "彼"の瞳が私を宿す度に、 まるで凍てつく様に冷たくて "彼"が言葉を発する度に、情なんて感じられなくて それは出逢った当初から、この先もずっとそうであると思っていた。 いや、思い込んでいた。 「……あの!」 その"彼"を引き留めるために咄嗟に出た言葉は、いつになく荒がっている。 分かってる、こんなの冗談だって、 「じょ、冗談…ですよね…?」 上ずりそうになる声をこらえながら問うも、 「生憎冗談は言わないタチでね。もし不快であればいつでも言ってくれて構わない」 気づけば怪しく笑う彼に魅入っていた。 これが冗談だって? ー答えは、NOだ
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