〇〇伝説。

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〇〇伝説。

この話は、硫黄達に起こった事件より、50年前の話。 私こと、小沢(おざわ)冴子(さえこ)は、放課後のホームルームを終え、帰宅準備をしている。 さて、帰って宿題終わらせないとね。 高校2年目となるこの日、こんなことになるなんて思いもしなかった。 全ては、私の親友、夢野(ゆめの)草子(そうこ)が話を持ちかけてきた事から始まる。 「ねぇ。小沢さん。小沢さん。 知ってる?学校の裏山にある六地蔵。 あのお地蔵さんの左から二番目のお地蔵さんさ、夜になると動くらしいよ?」 このあたりは昔から、何かとそう言う噂が絶えない。 「えーそうなの?」 そんな話の中には、真実もあるが殆どが眉唾な話ばかりだ。 話を合わせて頷くも、その話を話半分くらいに聞いていた。 「そうなのよ! なんでも、昔、処刑場があったらしく、処刑された人数だけお地蔵さんが作られたんだって。」 それならもっと数あってもいいんじゃない? たった6人しか処刑されていない処刑場なんてあったのかしら。 私は、首を傾げながら愛想笑いをする。 「そうなんだ。」 「そうなんだ…って! 小沢さんちゃんと聞いてる?」 「うん!聞いてる。聞いてる。 で、動くお地蔵さんがどうしたの?」 「それがね! ほら!先月神隠しにあった隣のクラスの女の子。 んー名前なんて言ったかな?」 「あー。片桐夕子さん?」 「そう!神隠しにあったその日、最後に姿を見たのは六地蔵前らしいよ?」 「へー。」
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