〇〇伝説。

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八割がた聞いていない。 そんな私でも聞き捨てならないことは簡単に耳に入る。 「だから!夜、六地蔵前に集合ね?」 「はい?」 何故、どこをどうしたらそうなる? 私は、耳を疑った。 「え?」 「え?じゃなくてー。 まってるからねー。」 彼女は、私の返事を聞くまでもなく走り去った。 「ちょ!ちょっとぉー。」 親友だからわかる事なんだけど、草子は一度言い出したら聞かない子で、いつもこんな感じで、勝手に約束をつけて帰る。 だから私以外友達がいないんだ。 とは思うものの、見捨てることも出来ず、私は今日も振り回される。 まぁ、危険な事ないかな? 神隠しと言っても基本は迷信。 崖から転落して死んだか、または、他県他国へ逃げたまたは、連れ去られたか。 神隠しの真相なんて大概そんなものだ。 駐在さんも見回っている今の六地蔵なら、神隠しは無いだろうと思う。 ただ、駐在さんに怒られるのは、勘弁してほしい。 ちらっと見てすぐに帰ろうと思った。
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