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「ふぅ…。頂上まで後少し……かな?」
上を見てはいけない。
上を見れば一気に気が抜けてしまう。
今登っている山の名前は雄尻山。
日本一高い山、富士山から比べて103番目に高い山で、んー。
高さがよくわからないと思うので2660m。
登山装備が必要な高さだ。
山頂近くまで来ているのも、奇跡的なアクションがあったのと山頂に何か手がかりがあるかもしれないと言う思いが足を頂上へと進ませていた。
少し広い場所にでた。
人の出入りがあるのか、切り株がそこら中にある。
私は少し休憩する事にした。
「そこの切り株でいいかな?」
今、どの辺りだろう。
後どのくらい登ればいいのかな?
何時間くらいたったのかな?
考えれば考えるほど不安になる。
私は、不安を振り切る様に首を振り、再び歩くために立ち上がった。
「よし!頂上に向かおう。」
「さえちゃーん!!」
頂上に向かい歩き始めた時だった。
背後から聞き慣れた声がする。
「ハァハァハァ。待ってよ!」
背後から走ってきた姿は、つい昨日会ったはずなのに、何年も会っていなかった様なそんな気になってしまうほど懐かしく感じ、私は足を止め、呆然としてしまった。
「さえちゃん!
無事だったんだね?」
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