早朝

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私は、草子を置いて境内へ向かう。 大きな階段を一歩一歩歩き、上り詰めた先に見える緑色と黄色の光。 きっとあれだ!! 私は、その光に向かい歩き出す。 濃い霧が視界を奪い、それ以外見えない。 まずは緑色に光る玉を砕こうと緑色の光に近づく。 草子の言う通り、緑色の玉を狛犬が咥えていた。 「これを砕けば。」 私は玉を掴み力一杯引き抜こうとする。 「ぐぐぐっ。かったい!」 それでも玉は抜ける様子もない。 なら!! 私は近くにあった大きな枝を手に振り切る。 カーンと境内中に響き渡る音。 だが、全く持って割れる気配がない。 「誰だ!!!」 神社の方から人の声が聞こえる。 まずい!!! 私は狛犬に隠れて様子を伺った。 「それを壊してはならぬ! それを壊せば災いが広がるぞ!」 足音がどんどん近づいてくる。 私は足音から遠ざかる様に隠れながら神社の方へ歩き出す。 「ん?気のせいだったか?」 どうやら、狛犬の方に行ったらしい。 私は、その隙を狙い、神社の中へと侵入した。 「あれは木の棒じゃ割れない。 なら…ここで一番硬いものを使うしかないじゃない!」
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