〇〇伝説。

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「ひっ!?…あれ?」 そこには、先程からある尻蔵様が鎮座してる以外、特に変わった所はない。 「草子ぉー。驚かせないでヨォー。」 「う!うん!! もう行こうかぁー。 ほら、月九ドラマ始まっちゃうし、うん。 そうだ。うん。そうしよう。」 「はぁ?草子、今日は火…ちょっと! 手!引っ張んないで!」 草子が私の手を問答無用に引っ張って走り始める。 「急いで!ドラマ始まっちゃう!! 後ろ向いちゃダメだからねっ! そんな暇ないから!」 嘘が下手すぎる。 何かに追いかけられている? 一体、草子は何を見たのだろう。 良く耳をすませば、聞こえるプリミャア!!と言う奇妙な鳴き声。 なんか追っかけてかているのは間違いなかった。 少なくとも、背後を引っ切り無しに確認している草子の姿がそう言っている。 プリミャア! プリミャア! と、その数はだんだん増えてきている様にも思える。 それだけで、恐怖心が限界に達する。 「やばい!」 「きゃっ!」 草子が足をもつらせ、転倒した。 私は、草子のそばに寄り、彼女の足を見る。 捻挫している様だ。 「早く!行って!」 「でも…。」 「いいから!早く! お願い!!!」
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