〇〇伝説。

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草子の気迫におされ、私は1人走り出した。 ごめんなさい!草子!! プリミャア! プリミャア!! 「いっいやぁー!!!」 背後から草子の悲鳴が聞こえ、そして、激しい爆音と共に草子の悲鳴が消えた。 「草子ォー!!!」 草子のおかげで命からがらだけど助かった。 私は、六地蔵のある山を遠目に見つめ、涙を流しながら帰宅する。 母には何があったが問われたが、私は何も言わず、部屋に戻り鍵を閉める。 何が襲ってきたのか、正確に話すことが出来ないし、わかってもおそらく信じてもらえないだろうと思ったからだ。 私は、母が部屋をノックする音を聞きながら、布団を被り震える。 ベランダから何かがのぞいている様な気がして、怖かった。 プリミャアと言う謎の鳴き声が未だに頭の中をぐるぐると回って聞こえている。 プリッ!プリッ!プリィー? お願いだから消えて!! プリィー? 何が布団を覗き込んでいる感じもするし、早く寝たい! プリリィー? 助けて!お願い! どっか行って!!! 表で救急車が走る音が聞こえる。 プリィ!? それと同時に気配が消え、私の意識は夢の中へと落ちていった。
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