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「まあ、十瀬も座りなよ」
全てのキャンドルに火を灯し終わり、店内は洒落たBARに見えなくもない。
自分もカウンターに入って、ココアを2つ作り、十瀬とニュイラの席に出した。
「クトさん、何か飲む?」
「そうだなぁ……あれ、霧亜さん飲んでるの紅茶?」
「ラム酒入り」
此方が答える前に大佐が何故か得意げに答える。
初お披露目のそれが気に入ったのだろうか、憎めないタイプの人である。
「同じの作ろうか」
クトさんに声を掛けると「よろしくお願いします」とすかさず返事が帰ってきた。
作る側としては嬉しい限りだ。
用意を済ませてから、ようやくカウンター内の椅子に座った。
少し落ち着いた店内を見渡して、
「お待たせしたね」と十瀬に声を掛ける。
いえいえーと首を振り、和やかに笑うのを見て安心すると同時に、皆からの期待の視線が彼女に注がれて居た。
「じゃあ、聴こうか」
ようやく、話を切り出させる事に成功した。
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