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ただ、温人さんに
イギリス出身の美しい人と話せば
それだけで思い至るのではないか。
そんなことをどうしても
考えてしまう。
本当にふたりが知り合いであるなら
そんな少ない情報だけでも
きっと温人さんは
マダムの存在を導き出すだろう。
彼女はそういう
特別な人間だろうから。
『美味しかったわ。
甘い思い出の詰まった紅茶なのよ』
『甘い……ですか』
『ふふ、そう。
愛した人が好んでいた紅茶』
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