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身体を離した温人さんが
たしかめるように私の頬を
そっと両手で包み込む。
慈愛のこもった目で
たっぷりと見つめられ
私は落ち着かない気持ちになり
睫毛にかくれるように
目を伏せる。
目を伏せる。
「少し……痩せた?
顔色も良くない気がする。
もしかして、眠れなかった?」
「ちょっとね……。
温人さんが帰ってくると思うと
嬉しくてなかなか寝付けなかっただけ」
「……うーん。
ここは誤魔化されておくべき?」
困ったような声に
自然と笑みがこぼれたことに
自分で少しほっとした。
「いいから、キスして」
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