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貴婦人がうっすらと笑う。
そこに私に対する嫌悪は
ないように見えた。
そう、思いたいだけかも
しれないけれど。
どちらだと、
ずっと考えていた。
マダムは私が温人さんの妻だと
知っているのか、いないのか。
知っていて、やっているのかと。
それがわかっても
どうしようもないのに
考えずにはいられなかった。
『きちんとご説明せず
申し訳ありませんでした』
『いいのよ、謝罪なんて。
あの紅茶をあなたが用意したと聞いた時から
そうじゃないかと思っていたの』
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