313人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
出会った瞬間
運命であると確信した。
温人さんはそう
恥ずかしげもなく語った。
「私は彼女に
彼女ただひとりに、夢中になりました。
彼女に振り向いてもらうのに必死で
他を見る余裕もありません。
結婚は、彼女を私の元に
引き留める手段の
ひとつに過ぎません。
結婚しても私はまだ
彼女に恋をし続けているのです」
いつも以上に
ストレートな愛の告白は
きっとマダムへの牽制と
私を安心させるためのものなんだろう。
恥ずかしげもなく
切々と訴えるように語るから
至近距離で聞いていた私は
居たたまれず身を縮めるはめになった。
最初のコメントを投稿しよう!