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オリヴィア・ロッド。
年齢を感じさせない、
けれどある程度年齢を
重ねたからこそ出る
妖艶な色気と
神聖な気品を兼ね備えた
まるで同じ人とは思えない
ミステリアスな貴婦人。
キングスイートの主は
いくつもある部屋の
リビングに相当する場所で
窓辺のソファーにその身を
しどけなく横たえていた。
『私にご用でしょうか、マダム』
深い蒼の瞳も
繊細な白金の髪も
陶器よりもさらに白い肌も
すべてが宝石で出来ているような
奇跡の存在がゆっくりと
緊張を隠し立つ
私の顔を見上げて微笑んだ。
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