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微睡む中、ゆっくりと目を開ける。小鳥が鳴いている。窓から太陽の光が差し込んでいる。
今日も一日が始まる。日本じゃない、別の世界での一日が。
「おはようございます、ユウキ様」
「あぁ……ふぁぁ……………おはようございます。フーリアさん」
ベッドの側にはフーリアさんが立っていた。横にあるカートには紅茶が湯気をたてている。頼んでないのだが、飲まないのも悪いので飲むことにしよう。
紅茶をフーリアさんに淹れてもらうようになってから数日が経った。悔しいが、毎日欠かさず飲んでいるぐらいにフーリアさんの紅茶は旨い。その味に追い付こうと、僕も淹れる練習はしているが、追い付くにはまだまだ遠い。例えるなら二次元と三次元位の遠さだ。ハハハ。
「……今日も学校か……面倒だなぁ」
愚痴を吐きながら、寝間着からタンスにしまってある学生服に着替えていく。カッターシャツの代えは問題ない。同級生から「いらない」と言われて貰ったものが沢山ある。靴下はこの世界の布製の靴下だ。たまに自分が元々履いていた靴下を履くのだが、やっぱり日本製は最強だと思う。技術力の違いが、靴下の質にも格差を生むとは……。
キッチン。
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