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「今日の部活何するんだっけ?」
「癒し草の採取、調合して各種ポーションを製造。これを納品するの。忘れてたの?」
……ここは日本ではない。ある日突然、学校を覆うほどの大きさの魔法陣が出現して、学校ごと転移してしまったようなのである。
そしてなぜか、皆はその事にパニックにはなったけれど、時間が経つにつれ違和感を感じなくなっていき、数日もすればこの世界にいることが当たり前と言わんばかりに振る舞い始めた。
最初はもちろん『みんなおかしい』と僕は言った。『なんでここにいることが普通なことだと思ってるの?』と続けた。
それで、僕に返される言葉は全部『俺たちが別世界から召喚された勇者だから』。全部これだ。
「…………」
鞄の中にあるのは筆記用具と教科書とノート。服だって学生服のまま。そこの生徒が着ている鎧、廚二が憧れそうなローブとかは全く着ようと思わない。僕は普通を貫いているつもりだが、この世界では鎧や魔法が施されたローブ等を着ないと危ないらしく、それ以前に着ないことがおかしいと言われる始末だ。
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