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おかしくなった学校の連中が掲げるのは魔王討伐。それを目指して一致団結している。
けど、そこから先は?僕はどうなる?日本に帰れるのか?
……彼らはそこからなにも考えてない。例えるなら、自我があるように見えるゲームのNPC。ある目標にただひたすら歩を進める機械的な物。
……学校のみんなが不気味に思えてしかたがない。
……駄目だな。落ち着け。今日は帰って寝よう。それが良い。
でこぼこな石畳の道に時々つまづきながら自宅を目指す。この先にある定期馬車に乗って家へと向かう。商業区よりかはマシだが、それでもガヤガヤと五月蝿い。スマホなんてない世界だから、彼らにとって会話が唯一のコミュニケーション手段なのだ。
自宅は一応高級住宅区にある。俺はなにもしてないが勇者認定はされていて、別世界からの勇者は優遇措置として、衣食住が整った環境を提供される。
確かに衣食住は整っている。付き人というかメイドさんもいて、不自由はしてない。唯一挙げるとするなら、ボールペンのインクが切れたから補充したいってところぐらい。
バス停、もとい馬車停についた。置いてあった椅子に腰かけて、鞄からスマホを取り出す。
「……別の世界でなんでスマホ繋がってんのかなぁ?」
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