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「俺の職業は『魔鍛冶師』つって、普通じゃない武具を造るのが専門の職業だ。俺の造る武器は使い手を選ぶもんでな、魔鍛冶師のスキル『選人眼』でそれの使い手を探してたところだったんだ。いやー見つかってよかっ………まてまてまて!ナイフ持ったまま振りかぶんな!生きてたんだから御の字じゃねぇか!」 「そういう問題じゃねぇ!!」 「わかったわかった!すまん!だからそれを下ろせ……な?」    本当に殺してやろうかと思ったが、なんとか殺意を抑える。 「お代はさっきもいった通り、タダだ。次回があれば贔屓するから、それで勘弁してくれ」  こいつとはもう関わりたくないし、許した訳じゃないが、馬車がもう来ている。 「………わかったよ。もう行くから、あんたもどっか行け」  乗り遅れると面倒だ。もう会うこともないだろうし。しかし、男は僕を呼び止める。 「待て。そのナイフは俺が作ったから、普通とは言ったが絶対に普通じゃない。だが、なんであろうとそれは普通であろうとするナイフだ。持ち主のあんたが、あんた自身の望む『普通』になる為に、そのナイフはどんな力でも得る。だから、ナイフの使い処は間違えるな」 「………何が言いたい?」  男は豪快に笑いながら言った。 「自分のために力を使えって事だよ、坊主!」
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