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 節くれだった手が、そっと僕の頬に添えられる。その感触を愉しむように、親指を滑らせる。目の前にある二つの黒い瞳が、濡れたように揺らめき、瞼、鼻先、そして口の端にと唇を落としていく。舌先で唇を撫でられ、軽く吸い上げられる。その間にも大きな手は触れるか触れないかという強さで胸元をまさぐり、小さな突起を見つけ出す。指先はゆるく円を描くように周囲をなぞり、そのじれったい動きに思わず身体を捩る。笑ったような気配とともに、左側の尖りに生温かい感触がやってくる。先ほど指でやっていたように舌先で柔らかな場所をつつき、反対側はやわやわと人差し指と親指に挟まれ、思わず口から溜息ともつかない声が漏れる。もう一方の手は脇腹を這い、そのまま背中のくぼみの形を確かめるように下がっていき――ざらりと胸を舐めあげられるのと、緩く勃ちあがった自身に触れられるのと、同時にきた刺激に身体を反らし、頭をゆるく振りながら考える。  ああ、なんて――――なんて都合の良い夢なんだ……  瞼を上げるのも億劫な気怠さの中で、僕は額に手をやり、小さく息を吐き出した。カーテンが小さくはためき、その隙間から鋭い西日がちらちらと室内に差し込む     
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