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 頭の中で思い浮かべたのは、先ほどまで見ていた夢の中の姿だった。羞恥心に顔が歪み、両手でそれを覆い隠す。疲れていたんだ。頼る背中が遠のいて、自分を叱咤しながら走り続けるしかない状況に、知らず知らず心が擦り減っていったのだろう。そしてそんな時――その小さな傷に柔らかく染み込み、満たしてくれた存在に、きっと僕は……恋をした。
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