遠くへ逝きたい。

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左右に揺らしたり上下したり、自分が動ける範囲の動きを何パターンか繰り返す。彼が支えてくれているから安心して動ける。 「あっ、ん、ぅ」 縋り付いて、声を隠すでもなく喘ぎ続ける。息が弾む。彼も息を弾ませていた。 「ハニー、待ってくれないか、暑いから脱ぎたい」 しまいに着ていたTシャツを脱ぎ出す。 俺も暑さで頭がクラクラしてきていた。 「俺も脱げたら、脱ぎてーな」 素っ裸でなに言ってんだか。密室だから余計暑いのかも。ケツを中心に体の奥から熱くなる。 「もう脱げないな」 笑いながら、顔や首筋の汗を唇で拭ってくれる。 ハニーの味がする、なんて戯けて言ってるし。 「加齢臭しない?」 「加齢臭はしない。酒の匂いがする」 「えー、染み込んでんのかなー、最悪」 ちょっと禁酒しようかなって言ったら、嘘だよって笑われた。 「お前の匂いがする。優しくて甘い匂いだ」 「それ俺の匂いじゃねぇよ、優しくも甘くもないし」 「いいや、お前の匂いだ。嗅ぎ慣れてるからな」 「そう?」 彼が言うならそうかもしれない。なんて、思いながら。 「ハニー、イッてもいいか?」 程なくして彼が囁く。 「いいよ、中に」 体も慣れてきたもので、彼が中に出しても腹を壊すことがなくなっていた。
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