1章

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ヒビキの部屋にて。 やり残した宿題を見た後、 「よし。これで提出だけじゃなくて、次のテストも大丈夫だろう。…で、相談はなんだ?」 と言うカナデ。 因みにカナデは教員免許も持っている。 「兄さん、気付いてたの?」 とヒビキが問うと、 「そんなの、すぐ分かるよ。」 と言ったカナデ。 「そっか…。兄さんは全部お見通しなんだね。でも言いにくいんだ…。」 と言ったヒビキに対してカナデは、 「いいから言ってみろって。」 「最近、父さんが凄く厳しいんだ。何か凄く焦ってるような気もしてさ。早く先生と結婚させたがってるようにも感じるんだ。」 「…なるほどな。言いにくいってのは親父が関係する事だったからか。大丈夫だよ。親父の事は嫌いでも、お前の事は嫌いにはならねえから。」 と、カナデはヒビキの髪をぐしゃぐしゃにして、 「お前の気持ちはどうなんだ?」 と言うカナデ。 「そりゃ、先生と結婚できるのは嬉しい事この上ないよ。でもそこには先生の気持ちは無いんだ…。」 と言うヒビキ。 「ならそれでいいじゃねえか。」 「え?」 「お前の気持ちに嘘偽りが無いなら、それを直接伝えればいい。流れてる血なんて関係ねえよ。2人が駆け落ちしたいならその時は俺に言えばいいさ。全力でサポートする。多分母さんも協力してくれると思う。」 と言ったカナデ。 「まあ、最後に決めるのはヒビキ、お前自身だ。」 と、続けてカナデが言う。 「うん…!ありがとう兄さん!大好きだよ!さ、外に行こう!」 と言って、ハードプラント取得する為に頑張っているユリカ達の元に向かった。 「あ、おい、待て!」 と言いカナデはヒビキを追いかけるように外へ行った。 そして、外に出た2人は、 「お、もう取得したのか。」 「さすが先生!」 上からカナデ、ヒビキ。 ユリカのジャローダはハードプラントを取得していたのだ。 「あ、カナデさん、ヒビキ君。終わったのね。」 と言ったユリカ。 「ユリカちゃん、物覚え良いんだよ!30分で取得しちゃったの!」 とミスズが興奮気味に言った。 「そうか、そりゃ凄いなユリカちゃん。さすがヒビキが先生って言うだけあるな。」 と言ったカナデ。
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