1章

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そして、カナデとミスズの場面の後にリビングにてユリカが 「待って、ヒビキ君!//」 とヒビキの行為を止め、ヒビキが 「え?駄目なの?先生…」 としょんぼりすると、彼女は 「うっ…//(そんなにしょんぼりされたらなんか罪悪感が…)こ、ここでは駄目よ//お母さんが見てるし…」 と言い、アキナが 「うちは構いまへんえ?どうぞ、続けておくれやす」 と言うと、ヒビキが 「母さんもこう言ってるわけだしさ?ね?」 と言い、ユリカが顔を真っ赤にしながら 「もーっ!//とにかくここでは駄目!//」 と言って起き上がるとヒビキの手を引いて二階へ上がって行く。 その2人を見ながらアキナはホウオウから言われた事を思い出し、 『ユリカはんをヒビキの伴侶に?』 『ああ。2人が出会ったのも偶然ではなく、必然によるもの…ならば、ルギア一族との絆を深めるためにも2人にはいずれそうなってもらうべきだろう。そもそも、ルギア一族に女が生まれたのも初めての事…ならば、これはまたとない好機だ。ヒビキにもその事は重々伝えておくつもりだ…。』 ―アキナは目を閉じた。 (あのひとの言わはる通り、あの2人の出逢いは偶然ではないかもしれへんどすなぁ…ヒビキも彼女と一緒にいて幸せそうだし…あの子が幸せなら、うちはそれだけで満足どすえ。なら、うちはあの2人を見守るだけどす。) と思い、その一方で、アキナはカナデの部屋の方を見ながら、 (カナデ…あの子もあの人の、ホウオウの血を引いている…でも、あの子はミスズちゃんのために人間として生きる事を選んだ。あの人はその事を良く思われていないみたいどすけど…でも、うちは正直嬉しくてたまりまへん。あの子が自分で、うちと同じ人間として生きる事を決めてくれた…それが何より嬉しいんどす…。そのカナデも今はミスズちゃんと一緒にいて幸せそうどす…うちはそれを見ているだけで満足どすえ。カナデもヒビキもうちの子どす…2人には、あの人の…伝説ポケモンの血に飲まれぬよう、強く逞しく生きてほしいどす。) と思い、カナデ達のことも優しく見つめていた。
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